石垣の魅力をもっと!見どころポイント5選

前回の記事の続きです。

城子さん
石垣って面白い!
もっと見どころはありますか?

野口
お城カタリスト野口です。
石垣に興味を持っていただけて嬉しいです!
石垣のお楽しみポイントを詳しくご紹介しますね。

見どころポイント①:算木積み(さんぎづみ)

算木積みとは、隅石、つまり石垣の角の部分の強度を高める積み方です
長辺が短辺の2〜3倍ある細長い直方体の石を、長辺と短辺が互い違いになるように交互に積み上げていくつくりです。
石垣は角の部分が非常に崩れやすいので、算木積みにすることで強度を増して石垣を丈夫にします。

長短の角の部分がきっちりそろった、完璧な算木積みの完成は、関ヶ原の戦いのあとのこと。
隅石が算木積みになっているかどうかを見てみると、そのお城が古いのか新しいものなのか、ざっくり想像できます。
いろいろなお城の隅石から、算木積みの進化を見てみましょう。


↑越前大野城:隅石に大きめの石を置いて強度を高めていますね。


↑有子山城:隅石が直方体になってきた?


↑津城:なんとなく算木積みっぽくなってきたぞ!


↑大阪城:きたー!これぞ算木積み!


↑江戸城:切り込み接ぎの算木積みは重厚感がありますね。

城子さん
隅石に注目すると、技術の進歩がよく分かるんだ!
野口
そうなんです。
魅力的な石垣を見つけたら、ぜひこの角度で写真を撮って比べてみてくださいね!

見どころポイント②:矢穴(やあな)


城子さん
ん?この点線はなんだろう?
石切り場から石を切り出すときには、まず巨岩の割りたい線に沿ってノミで穴を開けます。
その穴を矢穴と言い、矢穴に鉄クサビ(矢)を打ち込んで叩くことで石を割ります。

上の写真は、姫路城の大手門付近のもので、点線部分が矢穴になります。
この写真の場合、割ろうと思っていた矢穴とは別のところが割れてしまったため、矢穴が使われずに残った状態です。


矢穴をきっかけに見事に割れると、歯型のように綺麗に並んだ矢穴を見ることができます。
ただしこれが見られるのも、矢穴が石垣の表面に出ている場合だけ。
どこに矢穴があるか、実際のお城で探してみましょう。

野口
矢穴から、当時の作業の様子を垣間見ることができます。そこには機械もない時代に、手作業で石を加工した人たちがいます。人々の苦労の賜物が目の前の石垣だと思うと、感動もひとしおです。

見どころポイント③:石垣の刻印(こくいん)


石垣の石に、何やら記号のようなマークが彫られているのを見たことはありませんか?
そう。それが、刻印です。

城子さん
どうしてこんな印がついてるのかな?
刻印は、大名家の家紋や石工さんの目印、石の産地を表していると言われています。

特に「天下普請(てんかぶしん)」でつくられた大阪城や名古屋城などで、刻印を見ることができます。

天下普請とは、徳川家が諸大名に分担してひとつのお城をつくるよう命じた土木工事のこと。
ひとつのお城を複数の大名家が作るのですから、現場は大混乱だったのではないでしょうか。
刻印は、そんな混乱を防ぐために大名家がつけた目印とも言われています。

とはいえ、天下普請のお城の全てに刻印があるわけではありません。
また、天下普請ではなくても、刻印があるお城もあります。

野口
昔の人がつけたマークにどんな意味が込められているのかを想像しながら、ぜひ探してみてください。

◆刻印が見られるオススメのお城:名古屋城・大阪城・姫路城・和歌山城

見どころポイント④:鏡石(かがみいし)


城子さん
大きい石!
どうしてここにあるの??
天守台や門の近くの石垣には、驚くほど大きな石があることがあります。
これが、鏡石です。

石の表面が鏡のように平らなので、そう言うのだそう。

加工が面倒だから大きいまま積んでしまえ!と石垣に入れてしまったのではなく、意図的にその場所に配置しているのです。
その意図とは、ずばり権力の象徴!
「こんなに大きな石を運べるだけの権力も財力もあるんですよ」と、鏡石で威圧感を与えているのです。


こちらは大阪城の本丸にある「蛸石(たこいし)」という名の鏡石です。
その大きさは、なんと畳約36枚分!
天下普請のお城では、大名たちが自身の担当エリアに巨石を組み込んで自己アピールしていたとも言われているんです。
特に大阪城にはこんな巨石がごろごろありますよ。

鬼門除けや邪気払いに使われたという説もありますが、鏡石は、昔の人の想いや遊び心が感じられる魅力的なスポットです。

野口
ご自分の目で、この大きさを味わってみましょう。
鏡石の写真を撮る時は、大きさが比較できるので、人物も一緒に撮ることをおすすめします!

◆鏡石が見られるオススメのお城:上田城・名古屋城・大阪城

見どころポイント⑤:転用石(てんようせき)


転用石とは、他の目的で使われていた石材を、石垣に転用したもののことです。
転用石として多いのは、石仏や墓石で、福知山城の天守台が代表例です。

城子さん
ええ?!石仏とか墓石まで石垣にしてたの?
罰当たりでは…ないのかなぁ。
その他に、姫路城には石臼や石棺が使われています。
また、豊臣時代の大坂城では近くにある難波宮(なにわのみや:飛鳥・奈良時代の古代宮殿)の礎石も使われているそうですよ。
石垣の中に隠された転用石を、ぜひ探してみてくださいね。

◆転用石が見られるオススメのお城:福知山城・大和郡山城・姫路城

野口
石垣って一見地味な存在ですが、見どころはたくさん。
本当に奥が深いです。
ぜひお城で、こんな石垣を探してみてください!
これで、石垣しかないお城も楽しめますね。

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