2021年6月から約1年半に渡り「令和の大改修」を行っていた岡山城(岡山県)は、2022年11月3日にリニューアルオープンしました。
リニューアルのコンセプトは、「歴史を伝える城、集う城」。
そんな新しくなった岡山城を堪能したくて、大阪から青春18きっぷを使って行ってきました。
実は、リニューアルオープンの2日前の朝、岡山城に行ったのです。
天守には入れなくても天守の近くには行けるだろうと高をくくっていたのですが、開館時間前に行ってしまったようで、天守のある本段へ入るための「不明門(あかずのもん)」が、まさにその名の通り閉ざされていて、それ以上先には進めませんでした。
今回やっとリベンジができて、黒い天守を間近で眺めることができました。
リニューアルした岡山城の「改修ビフォーアフター」をご紹介しますね!
リニューアル1・天守の外観
岡山城の別名は「烏城(うじょう)」。
天守の外壁には黒い「下見板(したみいた)」が張られ、その色から「烏城」の別名が付けられました。
令和の大改修で、天守の外観は烏のように真っ黒にリニューアルされました。
そのおかげで金箔瓦の金色がますます輝いて見えます。
大改修以前は、瓦と外壁の色が同化していましたが、今では違いがはっきりと分かるほどに。
外壁を黒く塗装しただけでなく、窓や軒下の部分もリフレッシュしているので、下から天守を見上げるとその白さが際立ちますね。
岡山城の天守台は不等辺五角形という独特な形状をしているので、天守の姿が見る方向によって変化するのも魅力のひとつです。
ぜひ訪問した際には、いろいろな場所から天守を眺めてみてくださいね!
リニューアル2・天守の内部
天守内部の改修の目的は、耐震補強と、内装と設備の改修、そして展示のリニューアルです。
特に天守内の展示は、地元・岡山市出身の歴史学者・磯田道史先生の監修によって、全面リニューアルされました。
磯田先生のイラストとともに記された「磯田’s Eye」の記述は、先生ならではの切り口でとても興味深いものがありました。
私が「面白いな!」と思ったのは、天守1階にあった、こちらの天守型の積み木(?)です。
望楼型と層塔型の天守の構造の違いを、積み木のような模型で体感できる仕組みになっています。
実際に触って構造の違いを感じることができるなんて、子どもにとっても大人にとっても、お城を知るための素晴らしい体験だと思いました。
何人もの子どもたちがこれを手にして、試してみたのでしょうか?
リニューアルから1年も経っていないのに、積み木には傷や凹みがついていました。
傷ついても凹んでも何度でも作り直して、これから先も、天守の構造の違いが体験できるといいなぁと思いました。
天守にあるトイレの鏡には、岡山の伝統工芸品という「烏城彫(うじょうぼり)」があしらわれていました。
あまりに美しかったので、思わずパチリ。
リニューアル3・不明門と廊下門
不明門(あかずのもん)
不明門は、本段へ上がる入口の防衛のためにつくられた門です。
かつては、この門を抜けると、藩主が暮らすプライベート空間の御殿がありました。
本段へは限られた人しか入れなかったため、普段この門の扉は閉ざされていたといいます。
そこから「不明門」と呼ばれるようになりました。
今回、不明門は内装・設備・外壁の改修のほか、耐震補強を行いました。
廊下門(ろうかもん)
廊下門は、本丸の搦手(からめて・裏手のこと)にある櫓門です。
門の上には上屋があり、上屋は本段と中の段を結ぶ城主専用の廊下として使われていたため「廊下門」と呼ばれていました。
今回、廊下門は内装・設備・外壁の改修を行っています。
まとめ
「令和の大改修」の目玉は、やはりリフレッシュして美しくなった天守や門なのでしょうが、個人的には、案内板を新しくしてもらえたことが何より嬉しかったです。
特に、石垣についての案内板はありがたいですね。
点字ブロックや階段の手すり・触知サインなどバリアフリーにも配慮していたり、ライトアップ照明もリニューアルしたり新しく設置されたりして、至れり尽くせりの大改修ですね。
岡山城ファンが、ますます増えること間違いなしです!
最後に、令和の大改修の様子をダイジェストでまとめた動画をご紹介します。
ぜひご覧になってみてくださいね。
では、また!