はじめての方へ

はじめまして。

「お城のどこを見ればいいか分からない」「楽しみ方が分からない」
お城めぐりビギナーさんのお悩みを解決する、お城カタリスト代表の野口紀美です。

このページでは、初めてご覧いただく方のために、自己紹介をさせていただきます。
私がどんな経緯を経て「お城カタリスト」になったのか、どんな熱意や使命を持って活動しているかをご理解いただけると嬉しいです。

どうぞごゆっくりご覧ください。

お城との出会い

2次ベビーブーム世代の私は、茨城県の出身です。
徳川家康の次男・秀康も城主だった「結城城」の城下町で生まれ育ちます。

家族に連れられて、桜の季節はいつも「城跡公園」でお花見をしました。
運転免許を取りたてのころは、城下町ならではのT字路やクランクの多い細い道に苦戦して、ヒヤヒヤしながら運転したことを覚えています。
私にとって、お城と城下町はとても身近な場所にありました。

会津若松城
子供のころのアルバムに残る「会津若松城」の写真

お城と言って真っ先に思い浮かぶのは、福島県会津若松市の「会津若松城」です。
会津は定番の家族旅行先で、夏休みには毎年のように行っていました。
高くそびえ立つ天守がカッコよくて、まさにお城らしい会津若松城を眺めるのが楽しみだったのです。

お城には出会っていましたが「大大大好き!」までには至らなかった子ども時代。
それでも「お城は観光地」という認識は、このころから無意識にできていたのだと思います。

お城との出会い・再び

関西人の彼と出会い、結婚を機に、32歳のときに茨城から大阪に引っ越しました。
初めての環境に戸惑いましたが、大阪はみんな親切でとても暮らしやすいところでした。
そして何より食べ物がおいしくて()

週末には夫の運転で、観光地に出かけました。
「お城は観光に欠かせない」と思っていますので、もちろんお城にも行きます。
大阪城・二条城・和歌山城・姫路城・彦根城……。
関西には全国屈指の素晴らしいお城が、とても身近にありました。

大阪城
大阪城(大阪市)

旅行が好きな私たち夫婦は、時間を見つけてはあちこち出かけていました。
2012
年のゴールデンウィークは、夫の提案で四国旅行を計画します。

四国には、江戸時代から残る現存天守が4つもあるのです。
そして現存天守以外にも、再建されたお城がいくつもあります。

それに気づいた夫は、「今回はお城めぐりの旅にしよう」と計画をはじめました。
テーマがあった方が旅行は面白いので、そのアイデアに乗って、旅行へ出かけたのです。

今治城
今治城(愛媛県今治市)

その四国旅行で最初に訪問したのは、愛媛県今治市の「今治城」です。
築城の名手・藤堂高虎が築いた名城です。

天守入り口の売店で、「日本100名城公式ガイドブック」に出会いました。
それは各都道府県にひとつ以上、全部で100の名城が紹介されている本で、スタンプラリー帳もセットになっています。

日本100名城ガイドブック
日本100名城ガイドブック

初めてのお城めぐりの旅の、最初のお城でこの本に出会ったのは、まさに「運命の出会い」。
四国旅行日本100名城のガイドブックがきっかけで、私たち夫婦はお城めぐりをするように。
そしてこれまでにのべ1,000以上のお城を訪問しました。

私について

お城に出会う前の私は、自分のことが大嫌いでした。
何の取り柄もなくて、何も持っていないと、自分のことをあきらめていました。
だから誰にも必要とされないのだと自分をおとしめて、誰かのために何かをすることもできない、ちっぽけな存在だと自分自身を責め続けていました。

自分をそこまで追い込んだのは、不妊治療をしても子宝に恵まれなかったことが原因のひとつです。
「普通」に結婚して夫婦になったら、子どもができて家族が増えて当たり前と思っていたのに。
できる限りのことを何度トライしても、それでも「普通」になれなかった。

「結婚したら」「子どもができたら」と描いていた夢が消えてしまった。
優しい夫は夫婦ふたりで充分幸せだと言ってくれましたが、私が私を許せませんでした。
完璧主義の私は、思い通りにならない不完全な自分を攻撃していたのです。

子孫も残せない私は、何のために生まれてきたのだろう……。
わが子のために「何か」を伝えられると思っていたのに……。
心にぽっかりと大きな穴が空いて、苦しくて虚しい毎日でした。

お城が教えてくれたこと

引田城
引田城(香川県東かがわ市)

そんなときに、お城に出会いました。
お城にいるとなぜか、その美しさに強く心が揺さぶられたり、ほっとして安らぎを感じるようになります。
それはとても心地のいいものでした。
私は心に動かされるまま、心のままに、お城を巡り続けたのです。

お城に出会ってしばらくすると、私にも「持っているもの」があることに気づきはじめました。

それは「日本人」であるということ。

「お城を美しいと感じる私は、やっぱり日本人なんだ!」と、改めて気づいたのです。
自分が日本人だなんて当たり前なのだけれど、当たり前すぎて忘れていた「真実」。
お城に行くたびに、日本人だという想いが、私の空っぽの心を少しずつ満たしてくれます。

「私、ここにいていいんだ」

そう思えたとき、すごくすごく嬉しかった。
「日本人」という小さな気づきが、私に居場所を教えてくれたのです。
私は一人ぼっちじゃない、みんながいると言われたような気分でした。
その安心感のおかげなのか、少しずつ自分の「根っこ」ができはじめます。

完璧でない自分を責め続ける毎日は、もう嫌だ。
私は、私でいい。
私は、私なりの人生を生きる。
私は、私だけの人生を生きる。

そう思えるようになりました。

お城との出会いによって、私は「存在意義」と「アイデンティティ」を手に入れることができたのです。

これが、私が気づいた「お城のチカラ」のひとつです。

人生を変える「お城のチカラ」を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
私の経験を通して、具体的なお城のチカラをご紹介しています。

お城が好きになって、私の世界はとても大きく広がりました。
人間関係も、行動範囲も、趣味の幅も、そして私自身も。
完璧主義を克服してもっと心の強い人になりたいと、心理学の教室にも通いはじめます。

お城カタリストのはじまり

心理学の教室では、先生からいつも教えられていたことがあります。
「みんな自分の中に宝を持っている。その持っている宝を、ほかの人のために役立てよう」

「私は、どんな宝を持っているだろう」「ほかの人の役に立つものは何だろう」
先生の言葉がきっかけで、無意識に自問自答を繰り返していました。
その問いかけの答えが「お城」だったのです。

お城の魅力や楽しみ方を知らない人は、まだまだたくさんいる。
観光でお城に行っても、なんとなく眺めて帰って来るなんてもったいない。
お城には、先人たちの知恵と勇気がたくさん詰まっているんだ。
お城が育んできた物語は、私たちにチカラを与えてくれるパワーストーリーなのだから。

もちろん、何も知らなくても見るだけで、行くだけでお城は楽しめます。
そのお城が紡いできた歴史を知らなくても、楽しむことはできるでしょう。
けれどほんの少しの知識で、お城はさらに何倍も楽しむことができるのです。

お城は天守だけではありません。
マチュピチュみたいな天空の城で有名な竹田城(兵庫県朝来市)は、天守はもちろん建物は何もありません。
ただただ石垣があるだけです。それも素晴らしく美しい石垣があるだけです。

せっかく訪れたお城を、もっと楽しんで欲しい、知って欲しい。
知識さえあれば「何もなかったね」と残念な気持ちで帰ることは決してないのです。

「お城の面白さを届けたい」「ひとりでも多くの人に、お城のチカラを伝えたい」
そんな想いがムクムクと大きくなっていきました。
お城たちの声なき声を、パワーストーリーを伝えなきゃいけない。

熊本城 元太鼓櫓
熊本城(2018年5月6日の様子)

熊本地震で崩壊した熊本城の報道と、大好きな山城での衝撃の光景を目にしたことによって、お城の存続に危機感を抱いたことが、さらにこの思いを加速させました。

そして、まずは身近な友達にお城の面白さを語りはじめます。
2016年の暮れに「お城に100人案内する!」という新年の目標を立てて、「さて、どうしたら達成できるか?」と考えたときにイベントを企画してみようと思い立ちました。
それが「お城カタリスト」のはじまりです。

それからは「伝えたい・届けたい」そんな想いだけで無我夢中で走り続けました。
正しいか間違っているかなんて、わからない。
でも何もせずには、いられない。
ただただ、じっとしていられなくて動き続けました。

自分の居場所と人生の価値を教えてくれた「お城」に恩返ししたい気持ちも、お城カタリスト活動の原動力です。

お城には人生を変えるチカラがある

「私は自由なんだ! どこにでも行ける! 何でもできる!」
お城カタリストの活動をはじめると決めたとき、心の底から湧きあがってきた感情です。
当たり前のことですが、自分で自分をがんじがらめにしていた私にとっては、感動するほど嬉しい感情の芽生えでした。

周りの目を気にして行動していた私が、人前で話をするようになるなんて。
自信のなかった私が、初対面の人と話ができるようになるなんて。

不妊治療をあきらめたときに、もう持つことはないと思っていた「夢」や「目標」ができました。
私にも役に立つことがあるかもしれない。
それはある意味「希望」のようなものだけれど、それが私に生きる意味を与えてくれました

いまでも、もちろん悩むことはあります。落ち込むこともあります。
くじけそうなときも、立ち止まりたくなるときもあります。

そんなとき、私はお城に行きます。
ただお城にいる、お城を眺めるだけで、心の空いたスペースをお城が満たしてくれるから。
そんな力強い存在が、お城なのです。

小さな変化の重なりが、大きな波になって、新しい世界に導いてくれました。

この変化は、私だけではないはずです。
小さなきっかけが、大きな出来事になります。
あなたの世界も、お城のチカラで変わるはずです。

お城カタリストの使命

私のミッションは、お城に興味を持ってくれる方をひとりでも多く増やすことです。
貴重なお城が、とても身近に存在することをひとりでも多くの方に知って欲しいのです。
お城ファンのすそ野を広げるために、その入門編の道案内をするのが、私の使命です。

まさに、お城カタリストの活動に、私は自分の命を使いたいと思っています。
2019
年に大病を経験したことで、その想いはますます大きくなりました。
大学教授でも研究者でもない、私だからこそ、できることや伝えられることがきっとある……そう信じています。

私には夢があります。
先人たちの知恵と勇気が詰まったお城を、未来にひとつでも多く残すことです。

私には夢があります。
人生に悩んでいるあなたに、お城のチカラを届けることです。

私には夢があります。
人生を最高に楽しむ大人たちを、たくさん増やすことです。

人生は何度でもやり直せます。
いつでも新しいチャレンジができるし、いつからでも学ぶことができます。

お城をきっかけに、自分の人生と可能性に気づいてみませんか。
お城の持つパワーストーリーが、あなたの人生を変えるチカラになります。

お城カタリストが、全力でそのお手伝いをいたします。

長文を読んで下さいまして、ありがとうございました。