お城には人生を変えるチカラがある!
お城カタリストの野口です。お城のチカラを自己開示しながらご紹介しています。
今回は、気力のなくなった私が、お城に出会うまでのことをご紹介します。
私が、お城に出会ったきっかけは「不妊」でした。
様々な不妊治療を何度もトライしましたが、細胞レベルの欠陥で妊娠の可能性が低いことがわかり、治療を断念しました。
治療を諦めた私は空っぽで、心に大きな穴が空いて、空気が抜けた風船みたいに、気力がなくなっていました。
ベッドから起きられない日々を過ごす中で、私がしていたことは、自己否定でした。
女なのに子どもも産めないなんて、普通のこともできないなんて最低だ、何の価値もない、生きている意味なんてない、毎日寝てばかりで何の役にも立ってない、あんたのことなんて誰も愛してない、愛される訳がない、最低だ、最低だ、あんたなんて大嫌いだ!!!
毎日毎日、自分をおとしめる無言の言葉を、呪文のように自分自身に投げ続けていました。
私が私を許せなかった。大嫌いで仕方がなかった。
完璧主義の私は、結婚→妊娠→出産のセオリー通りにできない不完全な自分を、声なき声で四六時中攻撃していたのです。
この自分に投げかける言葉の暴力は、自身の深層心理に深く刻まれ「毒」となります。
後になってこの本から、投げかける言葉の重要性を知りました。
水は答えを知っている|江本 勝(サンマーク出版)
水に「ありがとう」という言葉を見せると形のととのったきれいな氷結結晶をつくる。一方で「ばかやろう」という言葉では美しい結晶はできない。言葉・声・写真によって、まったく違う表情を見せる結晶の姿は衝撃でした。「どう生きたいか」を自問自答するときに読み返す1冊です。詳しく見る
心の中でも、自分を罵倒しないでください。叱咤激励もときには負担なことがあります。辛いときは「辛かったね」と自分自身に寄り添ってあげてください。励ましてあげてください。
泣き疲れるほど泣いて、廃人のようにベッドで過ごすうちに、このままではいけないと思いはじめ、少しずつ動き出しました。外出できるようになると、新しい趣味を見つけたいと思うようになりました。
ランニングを始めたり、パンとケーキを習いに教室に通ったり、ゴスペルサークルに入ってみたり、料理のブログを始めてみたり、近所のカルチャー講座に参加したり、不妊治療で辞めた事務職に再就職したいと簿記やMOSの資格試験にも挑みました。
焦っていました。早くはやく。普通の生活に、普通の人に戻らないと……と、必死でした。
生活を充実させたくても、新しい趣味はすぐに飽きてしまいどれも長続きしません。
仕事も趣味も心のすき間を埋めるための道具としか考えていなかったのだと思います。
平日は仕事に没頭して、週末は引きこもりの日々が続きました。
そんな私を見かねたのでしょう。主人がドライブに行こうと連れ出してくれました。
初めは嫌々ながら行っていたのですが、流れる景色を黙って見ているだけなのに心が軽くなっていく気がします。
来週のドライブはどこかな? と楽しみになってきました。
その次は、旅行に行こうと計画を立ててくれました。
結婚当初からふたりでドライブや旅行に行くのが大好きだったと思い出します。
そうか、新しい趣味を必死で探さなくてもよかったんだ。
それからは時間をみつけて旅行に行きました。
心の空洞を埋めるためにしていた仕事は、旅行費用を稼ぐための仕事になりました。
2012年のゴールデンウィークは、四国旅行でした。
私は初めての四国旅行が嬉しくて、ガイドブックやネットで下調べをしました。
観光地のお城がたくさんあることを知り「お城めぐり」をテーマに旅をしようと思い立ちます。
四国旅行の最初の目的地は、愛媛県の今治城でした。
この銅像の人物が誰かも知らず、記念に撮った写真です。
今治城の天守1階の売店で、この本ををみつけました。
日本100名城公式ガイドブック|日本城郭協会 監修(学研プラス)
文字も大きくて読みやすいB5判のガイドブックです。詳細なお城データのほか、全国の100名城マップや、歴史・城の見方などの特集も充実しています。切り離して持ち運べるスタンプ帳つきで、お城めぐりがより楽しくなること間違いありません。より小型のガイドブックもあります。詳しく見る
今回の旅行で行く予定のお城がすべて掲載されていて、さらにスタンプラリーがあるというので買ってみました。
今治城のスタッフの方に「松山市に行ったら松山城だけでなく湯築城にも忘れずに行ってね」と教えてもらい、ランチをしたお店の方からは「大洲城は木造で再建した立派なお城だよ」と話を聞き、ワクワクして次に行くお城が楽しみで仕方がなかったな。
3泊4日の四国旅行で、今治城・松山城・湯築城・大洲城・宇和島城・高知城の、現存天守3つを含む6つのお城をめぐりました。
これが、私のお城との出会いです。
この小さな出会いが、私の人生に大きな影響と変化を与えてくれました。
この本がきっかけで、私はお城を巡りはじめました。
今度こそ新しい趣味を見つけられるかもしれない。心の空洞を埋められるかもしれない。
そう、思っていたのかもしれません。
お城めぐりをする中で、少しずつ少しずつ私の心は変化していきました。
次回はそんな心の変化をご紹介したいと思います。
では、また!