国宝も!話題の天目を鑑賞できる東洋陶磁美術館で芸術の秋

大河ドラマ『麒麟がくる』のワンシーン。

商人で茶人の今井宗久が、光秀をもてなした「天目」の茶碗。

そんな天目茶碗の実物が見てみたい!と思ったら……。

お友だちのSNSで、なんと大阪市立東洋陶磁美術館で特別展が開催されてることを知り、早速行ってきました!

東洋陶磁美術館

天目とは、天目釉と呼ばれる釉薬をかけて焼かれた陶磁器のこと。

12・13世紀ごろ?中国でつくられて、日本に伝わったものです。

木葉天目

美術館の、『黒、それは無限の色の宇宙。』のコピー通り、小さな器の中に魅惑的な宇宙が広がっていました。

幻想的な色合いと風合いは、釉薬と火力など様々な条件が奇跡的に重なって生まれるものなのかもしれない。

このひとつをつくるために、作家は何個の、何十個、何百個の器を焼いたのだろうか。

天目は、自然の力と作り手の努力の結晶なのだと思います。

国宝:油滴天目

国宝の油滴天目は、あの豊臣秀次が所有してたんですって!

釉薬の表面に、油のしずくのような模様ができているので「油滴」という名がついているそうです。

虹色のような、なんとも言えない色彩が器にきらめきます。

油滴・禾目・曜変・木葉と、天目もさまざまな種類があります。

ドラマで、駒ちゃんには井戸茶碗が使われ、光秀には茶碗の下に台も付けて貴重な天目茶碗で提供して敬意を表す。

日本人のおもてなしの心ですね。

Twitterではお茶の種類の違いにも着目された方がいらっしゃいました。面白い!
禾目天目(内部)

茶筅の跡が残る茶碗から、ただ飾られるだけの美術品ではなく、確かに使われていたことがわかる。

使える芸術品って、なんと贅沢なことか。

天下人たちが、大金をはたいて探し買い求めた気持ちが、わかる気がしました。

禾目天目

それにしても、国宝の撮影ができるなんて夢のようだと思いませんか?

写真ではその輝きと色合いは捉えきれないので、ぜひその目で見てほしいと思います。

おすすめの特別展です。

大阪市立東洋陶磁美術館で、2020年11月8日(日)までの開催です。

この記事を書いた人

お城カタリスト