大阪城|内堀で「危険生物」アリゲーターガーの捕獲作戦が実施

ええっ? どういうこと?!!
朝起きて、テレビをつけたら……驚きの映像が飛び込んできました。
「す・またん!」と「ZIP!」で、危険生物の捕獲作戦の様子が生中継されていたのです。

びっくりしたのは、危険生物のいる場所が「大阪城の内堀」だということ!


そして、その危険生物は「アリゲーターガー」という、最大で全長2m以上に達する大型の肉食魚類だということ!
アリゲーターガーは、ミシシッピ川などメキシコ湾に生息している外来種です。

Monsters Pro Shop:HPより

確かに、大阪城や各地のお城に生息する外来種や危険生物の噂は耳にしていました。
けれど実際に映像で見て、リアルなお堀の現状を知って、とてもとても衝撃を受けました。
あの大阪城に、こんな恐ろしい生物がいるなんて……。

なぜ大阪城の内堀に危険生物が?

アライグマは特定外来生物です

アリゲーターガーは、もともと「外来種」です。
日本に昔から存在する「在来種」ではありません。
そのため、鑑賞目的で飼育していた人が逃がしたりして、野生化したとしか考えられません。

アリゲーターガーをはじめとする危険生物や、ブルーギルなどの外来種をどうして危惧するのかというと、危険生物だからだけではなく「外来種」ということが問題なのです。

外来種とは……

『人間の活動に伴って、意図する、しないに関わらずそれまでその生き物が生息していなかった場所に持ち込まれた、これらの動植物を「外来生物(外来種、移入種)」と呼びます。』(WWFサイトより)

外来種は、もともと日本には存在しない生き物です。
そのため、日本に自生する「在来種」の生態系が狂ってしまうのです。
生態系が狂い、食物連鎖のシステムが崩れることで、在来種の減少や絶滅、地域の植生の変化などが引き起こされます。

もちろん同じ日本国内だとしても、周囲を海で隔てられた島々などでは、独自の生態系が形づくられていることが多いため、そこに国内のほかの地域から新たな動植物が持ち込まれれば、その地域の固有の生き物に対して、大きな脅威となります。

環境省では「外来生物法」という法律を定め『日本の生態系等に被害を及ぼす又は及ぼすおそれのある外来種について、規制や防除』に取り組んでいるそう。
日本固有の生き物たちと環境を守るためには、とても重要な取り組みです。

大阪城の危険外来生物について:大阪市の見解

大阪城の危険外来生物について「市民の声」に寄せられた投稿に、大阪市が返答している記事を見つけました。

市の考え方(一部抜粋)

『今後、当該アリゲーターガーにつきましては、特別史跡である大阪城のイメージを損なっていること、また恐怖や不快感を覚える公園利用者から駆除の要望が出ていたため、このまま放置するものではなく、指定管理者とともに今後も捕獲に取り組んでまいります。』

『なお、当該アリゲーターガーは、濠という限られた閉鎖空間で生息しており、生態系へ与える影響は少なく、市民の方と接触する機会が限りなく少ないため、毒性を有し、人間に被害を与える恐れがあり、かつ生息地を拡大する恐れのある毒アリ(ヒアリ)とは取扱いが異なることについて、ご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。』 

つまり、大阪城のイメージダウンになり、要望もあるので捕獲活動は行っていくけれど、濠(内堀)という限られた空間に生息していて影響が少ないため、問題はないという判断のよう。

大阪城トライアスロン2018

大阪城トライアスロンのコースマップ (大阪城トライアスロン2018:サイトより)

6月10日(日)には、大阪城の外堀を利用した「大阪城トライアスロン2018」が開催されます。
外堀と内堀は完全に分離されているのでアリゲーターガーの影響はないのでしょうが、心配されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

お城の「堀」の役割とは

大阪城

天守がそびえ、石垣のある「近世城郭」のお城は、その周りに広いお堀があります。
堀は外部からの攻撃に備え、鉄砲や矢などの武器の攻撃が届かない広さで設計されています。
堀には、水がためられた「水堀(みずぼり)」と、水のない「空堀(からぼり)」があります。

水堀の場合、渡り鳥や水鳥たちが水面で生息していることがあります。
この水鳥たちも、実は「お城の防御システム」のひとつでした。
例えば、敵が水堀を泳いで侵入したとき。
水鳥が驚いて逃げる習性を、敵の侵入を察知するレーダーの代わりに使ったのです。

現在の大阪城のお堀では、あまり水鳥たちの姿を目にしない気がします。
アリゲーターガーの存在だけが要因ではないでしょうが、何かしらの原因がありそうです。
大阪城のお堀で水鳥たちが育って、「水鳥によるお城の防御システム」の実例が見られるといいなと思います。

まとめ

今回の捕獲作戦では、生放送中にアリゲーターガーの捕獲はできませんでした。
それでも、外来種の「ブラックバス」が存在するのは、しっかりと確認できました。

テレビでは女性アナウンサーが、センセーショナルな表現で現場レポートをしています。
アトラクションを紹介するかのような報道に、少しがっかりしました。
正しい情報を、正しい温度で報道して欲しいと思います。

野口
大阪城のお堀の外来種は「対岸の火事」ではありません。
この記事が、「他人事ではなく自分事」として考える機会になったら幸いです。

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